前回に引き続き、西加奈子さんをチョイスしてみました。それと、ガソリンスタンドのエネオスで、この時期、無料で配布されている童話の花束です。
西加奈子著「漁港の肉子ちゃん」
さんまさんが映画化し、大竹しのぶさんが声優として関わったということで、インパクトのあるタイトルだけは覚えていました。
これが西加奈子さんの作品だと知ったのは、図書館で本を選んでいるときでした。アッと思ったので、そのまま借りてきました。
2冊目となる西加奈子さんの作品ですが、前回同様、ほのぼのしたストーリー展開に感じます。特に大きな事件や謎があるわけではなく、日常を切り取ったかのような作風に癒されます。
また、1文が比較的短く、ストレートに入ってくるのも好印象です。スピード感も感じますし、主語と述語が近いので、分かりやすいのも良いですね。
前回も今回も、登場人物には幽霊が見えたり、動植物の声が聞こえたりします。なぜなのでしょう?ここに、西加奈子さんが、何かの意味を持たせているのだとしたら・・
そんなことを思いながら読み進めましたが、ラストでは声をあげて泣いてしまいました。年のせいで涙もろくなっているのは事実ですが、登場人物の心のありようが手の取るように想像できてしまって・・・
この作品は、読む年齢層で感じ方が違うのかもしれませんね。もっと、西加奈子作品を読んでみたくなりました。
エネオス「童話の花束」
エネオスのスタンドで配布されています。車に乗ったまま支払いを済ませるようなガソリンスタンドや、セルフスタンドで機械にクレジットカードを入れるような店舗だと、なかなか目にすることは無いかもしれません。
私がよく行くスタンドは、セルフスタンドですが、店舗の中に入って支払いをするシステムです。
そこで、毎年この時期、この「童話の花束」が無料配布されているのです。
一般の部、中学生の部、小学生以下の部にわかれて、それぞれの最優秀、優秀、佳作に選ばれた童話が掲載されています。
とっても素朴で、温かい気持ちになれる作品ばかりで、幸せな気持ちになります。時には、くすっと笑ったり、時には泣きながら読んだり・・・
今回は、中学生の部最優秀賞の「ひとつめの魔法は」と、同じ部門の佳作「亀の月曜日」が好きです。どちらも、とっても優しい空気をまとっています。
また来年も、配布を楽しみに待ちたいと思います。